2020年12月21日月曜日

ヒツジゴケ

ヒツジゴケ Brachythecium moriense (アオギヌゴケ科) ヒツジゴケ類 <種一覧へ> <マトリックス> 1803東京64

奥多摩の山地林内の腐木に生えていました。
確信はありませんので、ご注意ください。
生えている雰囲気はナガヒツジゴケに似ているように思いました。

蒴柄は平滑で、毛尖なのは間違いないと思います。
ハネヒツジゴケは蒴柄にパピラがあって、基本的に鋭尖頭なのではずれます。
縦皺はほとんどないと判断しました。
そうなりますと、深い縦皺があるはずのナガヒツジゴケははずれます。
ヒモヒツジゴケとは以下の点で違うと思いました。
この個体は、葉身は三角状卵形、葉身上部は漸尖している、お椀状は顕著ではない、葉身細胞は幅広くない、葉身上部に鋸歯なし、枝はあまり立ち上がらない。
葉身中部の細胞は75~85μmほどもあり、図鑑の記述よりもかなり長いです。
キヌヒツジゴケも結構合いますが、関東に記録がなく、出しにくいです。



写真1:腐木に群生

写真2:生育状況

写真3:生育状況

写真4:蒴の様子

写真5:全形

写真6:全形。古い枝と新しい枝で色が違います。

写真7:

写真8:

写真9:茎葉の方が少し幅広か

写真10:枝葉と茎葉の大きさはほとんど同じ?

写真11:蒴柄は平滑

写真12:茎葉

写真13:茎葉

写真14:葉身下部

写真15:葉身下部の細胞

写真16:葉身中部

写真17:葉身中部の細胞。75×6μmほどありました。

写真18:葉身中部の細胞。85×6μmほどありました。

写真19:葉身上部。ほとんど全縁のようです。

写真20:葉先


2020年12月20日日曜日

ハネヒツジゴケ

ハネヒツジゴケ Brachythecium plumosum (アオギヌゴケ科) ヒツジゴケ類 <種一覧へ> <マトリックス>

蒴柄のパピラの状態は、結構微妙なのもありますね。
中肋も思いのほか微妙です。
奥多摩で一番たくさんあるヒツジゴケ類はハネヒツジゴケではないかと推測していますが、とにかく、写真撮影、採集、検鏡を繰り返し、サンプルを増やすしかないと思っております。
アオギヌゴケが一番似ているのでしょうが、アオギヌゴケはやや小さめで繊細なのでしょうか。とりあえずは検鏡して中肋を確認しないといけませんね。
ハネヒツジゴケとアオギヌゴケは、茎葉と枝葉の間に大きさや形の違いが少ないかなと思います。
ナガヒツジゴケも紛らわしいかと思いますが、葉先の毛尖状況、葉の縦皺、蒴柄のパピラあたりが重要観察ポイントでしょうか。ナガは茎葉に比べて枝葉が小さくなるようです。


その1:2004埼玉24
伊豆ヶ岳の山道沿いに生えていました。

写真1:生育状況。蒴柄のパピラは確認しました。

写真2:茎葉

写真3:葉身上部。中肋は葉先にはいっていませんでした。
検索表ですと葉先は鋭尖頭で毛尖ではないということになっていますが、結構毛尖的な葉もあります。傾向ということでしょうね。

写真4:葉身中部の細胞は64×5μmほどでした。
図鑑ですと60~75×4~5μmらしいので、いい感じではまりました。


オカムラゴケ

オカムラゴケ 2003三重362

鞭枝が著しいタイプです。
藤原岳山頂付近の樹幹に生えていました。
平凡社の写真と同じタイプです。

写真1:樹幹に生育

写真2:蒴あり

写真3:全形

写真4:鞭枝の様子

写真5:鞭枝の様子

写真6:葉

写真7:葉。中肋は途中で2叉。

写真8:葉身下部

写真9:葉身中部の細胞

写真10:葉身上部

写真11:葉身上部

写真12:葉身上部の細胞


ハイゴケ

ハイゴケ 2003三重66

蒴のあるハイゴケは珍しいですかね。
大杉谷の林道沿いで見ました。
茎葉の葉身上部背面の細胞上端にパピラがありました。
茎葉はよく鎌形に曲がり、葉先は細長く尖っていました。
大杉谷ではオオベニハイゴケらしき個体も見ましたが、茎葉の形はかなり違っていました。

写真1:生育状況。コンクリートマスの上端部に群生していました。

写真2:生育状況

写真3:全形

写真4:枝や葉の様子

写真5:蒴

写真6:蒴

写真7:雌苞葉

写真8:茎の断面

写真9:葉

写真10:葉

写真11:葉

写真12:葉

写真13:葉身下部

写真14:葉身下部の細胞

写真15:葉身中部の細胞。70×3μmほどでした。

写真16:葉身中部の細胞。52×3μmほどでした。

写真17:葉身中部の細胞。58×3μmほどでした。

写真18:葉身上部

写真19:葉身上部の細胞。パピラあり。