2020年12月1日火曜日

キノウエノケゴケ

キノウエノケゴケ Schwetschkea matsumurae (コゴメゴケ科) <種一覧へ> 2004埼玉90(1)

山地尾根筋の樹幹に生えていました。
現場では、もしかしてヒメウスグロゴケかもと思いましたが、検鏡したら全く違いました。
翼部の方形細胞の様子を見て、最初はケカガミゴケだろうと判断しましたが、図鑑を見ていて気になったのでもう一度検鏡し直しました。
キノウエノケゴケにかなり近いとは思いますが、気になる点も多々あります。
①中肋は変異が大きく、1本~2本~3本と多様でした。
②蒴歯のパピラは、特に下部ではまばらで少なめでした。
ケカガミゴケとは相当によく似ていますが、口環がよく発達していましたので、違うと思いました。現場では蒴が直立していたので、ヒメウスグロゴケかもと思いましたが、ケカガミゴケも結構直立するみたいです。勘違いでした。
蒴の写真などは(2)の方をご覧ください。

写真1:生育状況

写真2:春先だったのでよく乾いています

写真3:色合い的にも最初ヒメウスグロゴケかと思いました。

写真4:イワイトゴケと混生していました。

写真5:全形。枝先が鞭枝状に伸びます。

写真6:全形

写真7:茎葉や雌苞葉の様子

写真8:茎葉です。1.1mmほどでした。

写真9:中肋は2叉しています。

写真10:中肋は1本で中ほどまであります。

写真11:茎葉

写真12:茎葉

写真13:中肋は3本になっています。

写真14:葉身下部の葉縁部は狭く反曲しています。

写真15:葉身下部の細胞

写真16:葉身中部の細胞。38×5μmほどでした。

写真17:葉身中部の細胞。58×6μmほどでした。

写真18:葉身中部の細胞。40×6μmほどでした。細胞の形や大きさは変異が大きいです。

写真19:葉身上部。葉先が透明尖になっているのは寒さのせいかも?

写真20:葉身上部


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