2020年6月28日日曜日

コマトラノオゴケ

コマトラノオゴケ Thamnobryum coreanum (オオトラノオゴケ科) <種一覧へ> <マトリックス> 2005埼玉51

武甲山の石灰岩の転石地にありました。
この仲間で、オオトラノオゴケとキダチヒダゴケ以外は結構稀なようで、情報が少なく、自信はありません。
相当に乾いていましたが、葉につやはない雰囲気でした。
葉身細胞は表面がマミラ状に膨らんでいるように見えました。
裏面上部の中肋上には明瞭なとげがあります。
葉形も、野口図鑑のコマトラノオゴケの絵に似て楕円形でした。
二次茎下部に鱗片葉がまばらに散在する様子は、キダチヒダゴケに似ていますが、中肋上のトゲ、細胞の膨らみ、細胞の形、葉の光沢などにより、コマトラノオゴケとしてみました。
苔むすさんの投稿を見ますと、この仲間では、中肋のトゲのあるなしは当てにならず、お椀状の程度は当てになるみたいです。

写真1:生育状況 

写真2: 時期的なせいかもしれませんが、光沢はほとんどない感じでした。

 写真3:全形。二次茎の下部は小さな葉がまばらにあるだけで、はっきりとした柄状になっています。

 写真4:全形

 写真5:茎

 写真6:茎葉は楕円形です。

 写真7:葉身下部

 写真8:葉身中部の葉縁部

 写真9:葉身中部の細胞は細長くありません。マミラ状にぷっくりしているように思います。

 写真10:中肋上のとげははっきりとあります。

 写真11:葉身上部

 写真12:葉身上部

写真13:葉先。鋸歯は大きく、オオトラノオゴケ的です。


オオアオシノブゴケ

オオアオシノブゴケ (シノブゴケ科)②シノブゴケ類 <種一覧へ> <マトリックス> 2005福島69

休耕田の明るいヨシ原にフロウソウと混生していました。
近縁のアオシノブゴケとは、生育環境がかなり違いますね。
愛知の個体の検鏡写真はこちらです。

写真1: 生育状況

写真2:水湿地に生育

写真3:全形

写真4:枝

写真5:毛葉

写真6:毛葉

写真7:茎葉

写真8:茎葉の葉身下部

写真9:茎葉の葉身中部

写真10:茎葉の葉縁部

写真11:茎葉の葉身上部

写真12:茎葉の葉先

写真13:枝葉の葉先

写真14:枝葉の葉身中部


フロウソウ

フロウソウ (コウヤノマンネングサ科) <種一覧へ> <マトリックス> 2005福島69

休耕田のヨシ原内にオオアオシノブゴケとともに群生していました。
茎に毛葉があります。
生態写真はこちらです。

 写真1:明るいヨシ原に群生

写真2: 水湿地に生育

 写真3:全形

 写真4:茎

 写真5:毛葉

 写真6:毛葉

 写真7:葉

 写真8:葉身下部

 写真9:葉身下部

 写真10:葉身下部の葉縁部

 写真11:葉身中部の細胞

 写真12:葉身中部の葉縁部

 写真13:葉先

 写真14:葉先

写真15:葉先の鋸歯が独特


ヒロハツヤゴケ

ヒロハツヤゴケ Entodon challengeri (ツヤゴケ科) <種一覧へ> <マトリックス> 2006東京309

水際近くまで生えますね。ヒロハツヤゴケは生育基盤が非常に多様です。
水際の岩場にはフトサナダゴケが分布しますが、蒴歯が違います。葉の形や細胞の様子はよく似ています。
ホソミツヤゴケとは、蒴柄の長さや蒴の形などがよい識別点になりますが、蒴歯の模様を確認すればさらに完璧です。
カラフトツヤゴケとは葉先の尖り具合などで見分けます。

写真1:市街地の河川のコンクリート上 

写真2:生育状況

写真3:生育状況

写真4:全形

写真5:茎

写真6:葉

写真7:葉

写真8:葉

写真9:葉身下部

写真10:葉身下部の翼細胞

写真11:葉身中部

写真12:葉身中部の細胞。70×7μmほど。

写真13:葉身中部の葉縁部

写真14:葉身上部

写真15:葉先