2018年12月12日水曜日

ホウオウゴケ科

ホウオウゴケ科(1属) <種一覧へ> <マトリックス>


葉の特殊な構造により、この科であることはすぐにわかります。
微小な種が多く、同定は困難です。
普通に見られる種は限られています。
研究が進み、種数が大幅に増えているようですが、詳しいことはよくわかりません。


ホウオウゴケ科の特徴


・立つコケ。
・葉は2列に規則正しく並ぶ。
・中肋背面から背翼が伸びている。
・葉身基部は茎を抱き、腹翼を形成する。
・葉身上部は左右から表面側に合着して、上翼を形成する。
・葉腋部に葉腋瘤ができることがある。(4種のみ?)
・蒴は傾く、あるいは直立。(結構微妙?)
・蒴歯は1列で16本。
・無性芽を着けるものはないかも??
・配偶体がほとんどないものがある。(ユウレイホウオウゴケ、キュウシュウホウオウゴケなど)
・滴り岩に生えるものがある。(ツクシホウオウゴケ、ホウオウゴケ、ナガサキホウオウゴケ、ホソホウオウゴケ・・)
・基物は岩と土がほとんど。樹幹に着くものは稀。(ヒメホウオウゴケ、トサカホウオウゴケ、イボエホウオウゴケくらい?)


グループ分け


まずは、舷があるかないかで区別し、次に大きさでまとめました。
舷のあるタイプでも、たまに舷がなかったり、弱かったりすることもあるようなので、要注意です。
舷のあるタイプで大形のホウオウゴケはありません。エゾホウオウゴケやツクシホウオウゴケなどが最大です。
舷のあるタイプの代表種は、チャボホウオウゴケ、ツクシホウオウゴケ、エゾホウオウゴケなどです。
舷なしタイプの代表種は、キャラボクゴケ、コホウオウゴケ、ヒメホウオウゴケ、トサカホウオウゴケ、ホウオウゴケ、ナガサキホウオウゴケあたりでしょうか。
葉腋瘤があるのは舷なしタイプだけかもしれません。


識別形質


・まずは、サイズ、分布域、基物などによりあたりを付けます。
:一番の重要形質だと思います。
・蒴:蒴柄の出る位置(頂生、側生、基部)。直立か傾くか。蒴柄が基部から出るのはキャラボクゴケだけみたいです。側生する種も少なく、7種ほどです。
・葉縁部:全縁、単鋸歯、重鋸歯、明るい、または暗い・・
・葉先の形:鋭頭、鈍頭、円頭で微凸端・・
・中肋:葉先近くに達するか
・細胞の大きさ
・細胞の表面:平滑なのか、パピラがあるのか、マミラなのか、パピラは1個なのか複数なのか。複数のパピラを持つものは少ないです(コホウオウゴケなど5種)。
・葉腋瘤があるのは4種?
・葉の厚さ:単層なのか複層なのか。
・蒴柄の長さ、蒴柄にパピラがあるものは稀(イボエホウオウゴケ)。

低地では、キャラボクゴケ、コホウオウゴケ、チャボホウオウゴケなどがよく見られます。
山地では、トサカホウオウゴケやヒメホウオウゴケなどが多いです。
水っぽい環境では、ホウオウゴケやホソホウオウゴケなどが見られます。


<マトリックス>


全く未完成です。随時更新していきます。すみません。
マトリックスは、ほかの科も含めて全部エクセルで作成しています。大したものではありませんが、ダウンロード、加工、転載、オールフリーです。グーグルドライブで公開しています(こちら)ので、もしよかったら御自由にお使いください。
エクセルのフィルター機能が便利です。消去法で種を絞れます。

(イメージです。最新はリンク先です。)


種の見分け方


キャラボクゴケコホウオウゴケ
腹翼のパピラが全く違うようです。切片を作って断面を見なくても、腹辺の葉縁部の鋸歯の様子とピントを上下させた観察でわかるかなと思います。
葉のとがり具合や中肋の入り具合の違いがどの程度使えるのかはよくわかりません。
分布域や生育環境に違いがあるのか、ないのかもよくわかりません。
蒴が基部から出るか側生するかも識別ポイントですが、蒴がないことが多いので困ります。


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