2018年12月19日水曜日

チョウチンハリガネゴケ

チョウチンハリガネゴケ Pohlia wahlenbergii (ハリガネゴケ科) ヘチマゴケなど <種一覧へ> <マトリックス> 1812埼玉88 野②445

最初、枝がとても折れやすいので、無性芽なのかと思い、オタルミスゴケではないかと推測したのですが、中肋が葉先のかなり下で終わること、葉身中部の細胞の幅が10~18μmほどあって、オタルミスゴケ(6~8.5μm)よりもかなり幅広いことなどにより、チョウチンハリガネゴケの方がより近いのではないかという結論になりました。
そもそもオタルミスゴケは茎長5mm、葉長0.5mmの微小種のようです。
野口図鑑ではチョウチンマゴケというのも出ていて、どちらかというとそっちの方がより似てるかも??
この苔の下に生えている濃い緑のマットも気になります。チョウチンハリガネゴケの原糸体でしょうかね??
ちなみに、ヘチマゴケ属で小枝状の無性芽を着けるのはオタルミスゴケだけらしいです。チョウチンハリガネゴケは無性芽を着けない方に分類されていますが、小枝状の無性芽ともいえなくもないと思いました。
北海道で見た個体の検鏡結果はこちらです。無性芽を着けていないよくあるタイプだと思います。

写真1:沢沿いの湿った岩に生えていました。 

 写真2:枝をたくさん出していました。

 写真3:水をはじきます。下の濃い緑は原糸体??

 写真4:全形。枝(無性芽)は根元近くで簡単に折れます。

 写真5:無性芽を着けた茎

写真6:無性芽を着けた様子 

 写真7:葉

 写真8:葉身下部の葉縁部。辺縁にいくほど細胞の幅は狭くなるようです。

 写真9:葉身中部の細胞。18×85μmほどでした。中肋近くは短くなるようです。とても薄壁です。

 写真10:中肋。へりが角張ってるみたいです。

写真11:葉身上部 

写真12:葉先。整った丸い鋸歯。

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