チョウチンゴケ科(7属31種) <種一覧へ> <マトリックス>
比較的まとまりのある科だと思います。
科はおおよそ推測がつきます。
最近はハリガネゴケ科のヘチマゴケ類がチョウチンゴケ科に移動されたみたいです。
・細胞壁は薄め(例外多数)
・葉が大きい。
・湿った場所に多い。
・葉に横皺が出る。(3種のみ:ツルチョウチンゴケ、ナミガタチョウチンゴケ、ムツデチョウチンゴケ)
・舷がある。(例外は5種のみ:コバノチョウチンゴケ、ユガミチョウチンゴケ、ホシガタチョウチンゴケ、タカネチョウチンゴケ、ムツデチョウチンゴケ)
・細胞は平滑(例外は3種のみ:エゾチョウチンゴケ、コバノチョウチンゴケ、ユガミチョウチンゴケ)。
・土や岩に生えるものが多く、樹幹にはえるものはほんの少しだけ。(タチチョウチンゴケくらい)
・蒴柄は長めで、蒴は傾く。(例外:タチチョウチンゴケ属)
・雄花盤が結構目立つ。(スギゴケ科も結構目立つ)
ハリガネゴケ科は近縁で、結構似ています。ハリガネゴケ科のカサゴケ類などは見た目ではチョウチンゴケ科にしたくなります。最近の分類では、ヘチマゴケ類がチョウチンゴケ科に移動したようです。
ヒモゴケ科のコケもチョウチンゴケ科にそっくりです。
細胞も含めて識別形質のほとんどがかなり流動的な気がします。特に中肋と葉先。
サンプリングを多くして、総合的に判断するしかないかもしれません。
チョウチンゴケ科の中でエゾチョウチンゴケとケチョウチンゴケ(②ウチワチョウチンゴケ類)だけが無性芽をつけるみたいです。
ムツデチョウチンゴケ属は中肋が特殊なのでわかりやすいです。
チョウチンゴケ属は鋸歯が双生するので、わかりやすいです(例外あり)。
チョウチンゴケ属とコバノチョウチンゴケ属は結構似ています。雄花盤の下に小さな葉を着けた枝を輪生状に出すところも似ています。色合いや光沢は違いますかね。雄花盤の雰囲気もかなり違いますかね。
ナメリチョウチンゴケに代表されるチョウチンゴケ属はかなり手強いですね。
(チョウチンゴケ属の観察ポイント)
茎下部に小さい葉があるか、葉形、大きさ、中肋上のトゲ(表も裏も)、葉身細胞のそろい具合、厚角かどうか、中肋がどこまで行っているか、細胞壁のくびれ
よく生長した大きな葉で見ないとダメですね。
(観察ポイント)
小仮根があるか、仮根の量、無性芽の有無、茎長、葉形、大きさ、葉先、葉身細胞の大きさ、形、厚角かどうか、葉先の舷の細胞の形、中肋がどこまで行っているか
◆シノブチョウチンゴケ属(1種):黄色の舷あり。全縁。茎は黒みを帯びる。石灰岩。葉が丸っこい。
◆ウチワチョウチンゴケ属(6種):舷あり。全縁。ケチョウチンゴケだけ無性芽をつける。
ウチワチョウチンゴケ属は手強いです。
大仮根と小仮根がわからないといけません。
(重要ポイント)
◆コウチワチョウチンゴケ:葉がさじ形で変わっているので、見たらわかりますかね。蒴の縦皺も見てみたいですね。どちらかというと北方系ですかね??
◆スジチョウチンゴケ:葉身細胞は厚角で小さい(30~40×15~20)。かわいい。
◆セイタカチョウチンゴケ:小仮根あり。葉身細胞の細胞壁にくびれ。葉先凹形。茎長50mm。
◆ケチョウチンゴケとハットリチョウチンゴケとケナシチョウチンゴケ
一番難しい3種。
検索表に舷の色が出てきますが、あまり当てにしない方がいいかも。
乾いた時の色の違いはわかりません。
葉身細胞の形と大きさは難しい気がします。
葉先の舷の細胞の形が違うようですが、結局はハットリとケチョウチンが微凸端で、ケナシが円頭ということですかね。これもあまりあてにならなそうです。
これら3種の違いについてはこちらにまとめました。
匍匐茎があるものです。
ナミガタチョウチンゴケだけ、匍匐茎が地中を這うので要注意です。
◆ツルチョウチンゴケ属(10):直立茎と匍匐茎がある。葉縁には明瞭な舷がある。
タチチョウチンゴケ属はかなり稀なようです。
コツボゴケ、ツルチョウチンゴケ、オオバチョウチンゴケの3種は平地から山地で比較的よく見られます。基本種ですね。
コツボゴケとツボゴケには悩まされます。ツボゴケは北日本に分布するようですね。
コツボゴケとヤマトチョウチンゴケも難しいです。見た目の判断はなかなか難しいので、鋸歯の細胞数を数えて、葉身細胞の大きさも見た方がいいようです。ヤマトチョウチンゴケは南方系かと思ったら、北海道にも分布するようなので、関東にもコツボゴケに紛れて結構あるのかもしれませんね。
若い頃のツルチョウチンゴケは横皺がほとんどなくて、オオバチョウチンゴケと間違えそうです。明らかな別種で、細胞はかなり違うようです。
オオバチョウチンゴケの中に、アツバチョウチンゴケが混じっているかもしれません。採集して、舷の細胞や葉先の細胞を確認しないといけません。アツバチョウチンゴケは南方系でしょうね。
テヅカチョウチンゴケ、オオチョウチンゴケ、オオチョウチンゴケモドキの3種は、北方系でしょうか? 関東ではなかなかお目にかかれません。
ナミガタチョウチンゴケを見るためには亜高山帯に行かないといけませんね。ムツデチョウチンゴケの中に紛れているかもしれませんね。
チョウチンゴケ科の特徴
・細胞がとても大きい。・細胞壁は薄め(例外多数)
・葉が大きい。
・湿った場所に多い。
・葉に横皺が出る。(3種のみ:ツルチョウチンゴケ、ナミガタチョウチンゴケ、ムツデチョウチンゴケ)
・舷がある。(例外は5種のみ:コバノチョウチンゴケ、ユガミチョウチンゴケ、ホシガタチョウチンゴケ、タカネチョウチンゴケ、ムツデチョウチンゴケ)
・細胞は平滑(例外は3種のみ:エゾチョウチンゴケ、コバノチョウチンゴケ、ユガミチョウチンゴケ)。
・土や岩に生えるものが多く、樹幹にはえるものはほんの少しだけ。(タチチョウチンゴケくらい)
・蒴柄は長めで、蒴は傾く。(例外:タチチョウチンゴケ属)
・雄花盤が結構目立つ。(スギゴケ科も結構目立つ)
・雄花盤の苞葉は平開している(ハリガネゴケ科の雄苞葉は平開しない?)
・雄花盤の苞葉は普通葉と形状が異なることが多い?
・生殖器官は必ず茎や枝の先端につく。
・どちらかというと北方系か。
・生殖器官は必ず茎や枝の先端につく。
・どちらかというと北方系か。
注意すべきほかの科
ヨツバゴケ科の葉はチョウチンゴケ科に似ています。ハリガネゴケ科は近縁で、結構似ています。ハリガネゴケ科のカサゴケ類などは見た目ではチョウチンゴケ科にしたくなります。最近の分類では、ヘチマゴケ類がチョウチンゴケ科に移動したようです。
ヒモゴケ科のコケもチョウチンゴケ科にそっくりです。
識別形質
・細胞壁:角厚か、薄壁か
・仮根
・舷
・鋸歯:双生、単生
・葉先
・パピラ
・無性芽:エゾチョウチンゴケとケチョウチンゴケ
サンプリングを多くして、総合的に判断するしかないかもしれません。
ツボゴケとコツボゴケは雌雄同株か雌雄異株かで別種になっていますが、雌雄性の違いがどれほど普遍的な形質なのかも含めて要検討だと思います。
直立または斜上する茎のみで、匍匐茎がなく、葉に鋸歯があるものです。
◆ムツデチョウチンゴケ属(2種):中肋に側枝がある。舷なし。単鋸歯縁~全縁。
◆チョウチンゴケ属(7種):細胞は平滑。舷あり(例外ホシガタ)。鋸歯双生(例外ホシガタ)。
グループ分け
①チョウチンゴケ類(3属12種) 匍匐茎なし・鋸歯あり・コバノチョウチンゴケ属
・ムツデチョウチンゴケ属
・チョウチンゴケ属
②ウチワチョウチンゴケ類(2属7種) 匍匐茎なし・鋸歯あり
・シノブチョウチンゴケ属
・ウチワチョウチンゴケ属
③ツルチョウチンゴケ類(2属12種) 匍匐茎あり
・タチチョウチンゴケ属
・ツルチョウチンゴケ属
①チョウチンゴケ類(3属12種) <種一覧へ>
直立または斜上する茎のみで、匍匐茎がなく、葉に鋸歯があるものです。
所属する属
◆コバノチョウチンゴケ属(3種):細胞にパピラかマミラがある。舷なし(例外エゾ)。鋸歯単生(例外エゾ)。エゾチョウチンゴケだけ無性芽をつける。◆ムツデチョウチンゴケ属(2種):中肋に側枝がある。舷なし。単鋸歯縁~全縁。
◆チョウチンゴケ属(7種):細胞は平滑。舷あり(例外ホシガタ)。鋸歯双生(例外ホシガタ)。
チョウチンゴケ科の中でエゾチョウチンゴケとケチョウチンゴケ(②ウチワチョウチンゴケ類)だけが無性芽をつけるみたいです。
ムツデチョウチンゴケ属は中肋が特殊なのでわかりやすいです。
チョウチンゴケ属は鋸歯が双生するので、わかりやすいです(例外あり)。
チョウチンゴケ属とコバノチョウチンゴケ属は結構似ています。雄花盤の下に小さな葉を着けた枝を輪生状に出すところも似ています。色合いや光沢は違いますかね。雄花盤の雰囲気もかなり違いますかね。
ナメリチョウチンゴケに代表されるチョウチンゴケ属はかなり手強いですね。
(チョウチンゴケ属の観察ポイント)
茎下部に小さい葉があるか、葉形、大きさ、中肋上のトゲ(表も裏も)、葉身細胞のそろい具合、厚角かどうか、中肋がどこまで行っているか、細胞壁のくびれ
よく生長した大きな葉で見ないとダメですね。
(観察ポイント)
小仮根があるか、仮根の量、無性芽の有無、茎長、葉形、大きさ、葉先、葉身細胞の大きさ、形、厚角かどうか、葉先の舷の細胞の形、中肋がどこまで行っているか
◆ウチワチョウチンゴケ属(6種):舷あり。全縁。ケチョウチンゴケだけ無性芽をつける。
ウチワチョウチンゴケ属は手強いです。
大仮根と小仮根がわからないといけません。
(重要ポイント)
◆コウチワチョウチンゴケ:葉がさじ形で変わっているので、見たらわかりますかね。蒴の縦皺も見てみたいですね。どちらかというと北方系ですかね??
◆スジチョウチンゴケ:葉身細胞は厚角で小さい(30~40×15~20)。かわいい。
◆セイタカチョウチンゴケ:小仮根あり。葉身細胞の細胞壁にくびれ。葉先凹形。茎長50mm。
◆ケチョウチンゴケとハットリチョウチンゴケとケナシチョウチンゴケ
一番難しい3種。
検索表に舷の色が出てきますが、あまり当てにしない方がいいかも。
乾いた時の色の違いはわかりません。
葉身細胞の形と大きさは難しい気がします。
葉先の舷の細胞の形が違うようですが、結局はハットリとケチョウチンが微凸端で、ケナシが円頭ということですかね。これもあまりあてにならなそうです。
これら3種の違いについてはこちらにまとめました。
③ツルチョウチンゴケ類(2属12種) <種一覧へ>
匍匐茎があるものです。
ナミガタチョウチンゴケだけ、匍匐茎が地中を這うので要注意です。
所属する属
◆タチチョウチンゴケ属(2):蒴柄は非常に短く、蒴は直立。樹幹に生える。南方系??◆ツルチョウチンゴケ属(10):直立茎と匍匐茎がある。葉縁には明瞭な舷がある。
タチチョウチンゴケ属はかなり稀なようです。
コツボゴケ、ツルチョウチンゴケ、オオバチョウチンゴケの3種は平地から山地で比較的よく見られます。基本種ですね。
コツボゴケとツボゴケには悩まされます。ツボゴケは北日本に分布するようですね。
コツボゴケとヤマトチョウチンゴケも難しいです。見た目の判断はなかなか難しいので、鋸歯の細胞数を数えて、葉身細胞の大きさも見た方がいいようです。ヤマトチョウチンゴケは南方系かと思ったら、北海道にも分布するようなので、関東にもコツボゴケに紛れて結構あるのかもしれませんね。
若い頃のツルチョウチンゴケは横皺がほとんどなくて、オオバチョウチンゴケと間違えそうです。明らかな別種で、細胞はかなり違うようです。
オオバチョウチンゴケの中に、アツバチョウチンゴケが混じっているかもしれません。採集して、舷の細胞や葉先の細胞を確認しないといけません。アツバチョウチンゴケは南方系でしょうね。
テヅカチョウチンゴケ、オオチョウチンゴケ、オオチョウチンゴケモドキの3種は、北方系でしょうか? 関東ではなかなかお目にかかれません。
ナミガタチョウチンゴケを見るためには亜高山帯に行かないといけませんね。ムツデチョウチンゴケの中に紛れているかもしれませんね。
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