2020年3月29日日曜日

タチヤナギゴケ

タチヤナギゴケ Orthoamblystegium spurio-subtile (ウスグロゴケ科) <種一覧へ> <マトリックス> 2003三重352 野809

灌木の樹幹に生えていました。
蒴を多数着けていてわかりましたが、もし蒴がなかったら、気付かなかったと思います。本体は小さくて、黒っぽく、とても地味でした。
現地ではヒメウスグロゴケかと思いましたが、細胞の形がまるで違いました。
検鏡して、最初はヤマトソリハゴケ(コゴメゴケ科)によく似ていると思いましたが、反り返っている蒴歯は全く見当たりませんでした。葉先に鋸歯が目立っている点も、ヤマトソリハゴケに合致しませんでした。蒴柄の長さも違いました。

 写真1:樹幹に生えていました。

写真2:黄色いのは別物です。カラフトツヤゴケ? 

 写真3:蒴をよく着けていました。

 写真4:蒴は直立で、褐色です。

 写真5:黄色いのは別物です。

 写真6:本体は小さくて、地味です。

 写真7:枝は棒状でした。

 写真8:蒴の様子。蒴は直立し、くちばしは傾いています。

 写真9:全形

 写真10:全形

 写真11:枝の様子

 写真12:湿の状態。葉が斜開します。

 写真13:蒴柄は長いもので13mmくらいありました。

 写真14:葉は大きなもので0.9mmほどありました。図鑑では0.5~0.7mmと書いてあります。

 写真15:葉。中肋が太くて目立ちます。

 写真16:葉。中肋はほぼ葉先まで行っています。ヤマトソリハゴケもよく似ています。

 写真17:葉

 写真18:葉身下部

 写真19:葉身下部の辺縁部の細胞は横広です。

 写真20:葉身下部の細胞

 写真21:葉身下部の細胞

 写真22:葉身中部。細胞壁は全体的に薄めで、くびれも見当たりません。

 写真23:葉身中部の細胞は25~35μmくらいありました。細胞の形や大きさは、ヤマトソリハゴケもよく似ています。

 写真24:葉身上部の細胞。細胞の上端と下端にパピラがあるように見えます。図鑑では下端にもあるとは書いてありません。

 写真25:上の写真のピントをずらした写真。

 写真26:葉身上部は、葉縁部が多細胞層のように見えました。ヤマトソリハゴケは多層だそうです。

 写真27:葉先。中肋は葉先の直下まで達しています。葉先の細胞の雰囲気はヤマトソリハゴケも似ていますが、ヤマトソリハゴケは全縁だそうです。

写真28:葉先。はっきりと鋸歯があります。


0 件のコメント:

コメントを投稿