2020年1月14日火曜日

イワダレゴケ科

イワダレゴケ科(8属12種) <種一覧へ> <マトリックス>


大形で目立ちます。
樹状分枝や階段状分枝は特徴的です。ハイゴケ科よりも、シノブゴケ科やトラノオゴケ科、アオギヌゴケ科などとの近縁を感じます。
離合集散を繰り返しており、グループとしてのまとまりは強くない感じです。無理矢理の寄せ集め的な雰囲気があります。
ハイゴケ科のラッコゴケ属はかつて、フトゴケやフサゴケなどとともにフサゴケ科でした。葉先がよれる様子はイワダレゴケに似ています。
タチハイゴケはヤナギゴケ科に含まれていました。
イワダレゴケ科のコケは亜高山帯などによく群生していますが、フトリュウビゴケはかなり温暖な地域まで分布しており、異質です。一番身近で分布量も多いフトリュウビゴケがこの群の基本になるかと思います。フトリュウビゴケにはコフサゴケシノブヒバゴケが似ています。
タチハイゴケミヤマリュウビゴケはどちらも枝が棒状で、よく似ています。
オオフサゴケイワダレゴケは形状がそれぞれ独特なので、目視で識別しやすいと思います。
シノブヒバゴケとヒヨクゴケは見た目がよく似ていて、難しいです。茎葉のとがり具合、中肋、鋸歯などがポイントかと思います。
オオシカゴケは石灰岩性蘚類だそうです。
茎の毛葉は重要な形質ですが、濡れていると見えにくくなります。


所属する属


①毛葉あり
◆ヒヨクゴケ属  (3):中肋1~2本。ミヤマリュウビゴケはタチハイゴケに似ている。シノブヒバゴケとヒヨクゴケもよく似ている。
◆リュウビゴケ属 (1):中肋2本。フトリュウビゴケのみ。比較的南方系か。
◆イワダレゴケ属 (1):中肋2本。亜高山帯~高山帯に普通。枝分かれの細かさに変異がある。

②毛葉なし
◆タチハイゴケ属 (1):中肋2本。亜高山帯~高山帯に普通。茎葉は平滑。
◆フトゴケ属   (1):中肋1本。高山帯の尾根筋などに分布。黄色い。
◆フサゴケ属   (3):中肋2本。オオフサゴケは茎先が曲がる。コフサゴケとフサゴケは識別できる気がしない。
◆オオシカゴケ属 (1):中肋1本。長野県のみ。
◆フウチョウゴケ属(1):中肋2本。屋久島のみ。


注意すべき他科


・オシダ科:ラッコゴケ属やフトハイゴケ属は雰囲気が似ています。
・シノブゴケ科:毛葉の総本山。分枝の仕方も似ています。
・トラノオゴケ科:ヒメコクサゴケはフトリュウビゴケやコフサゴケによく似ています。
・アオギヌゴケ科:キンモウヤノネゴケなどは、フトリュウビゴケに似ています。
・ツヤゴケ科:マルバツヤゴケがタチハイゴケに似ています。
・フジノマンネングサ科:フジノマンネングサとシノブヒバゴケは似ています。


<マトリックス>


マトリックスはハイゴケ科のラッコゴケ属といっしょに整理しました。
全く未完成です。随時更新していきます。すみません。
マトリックスは、ほかの科も含めて全部エクセルで作成しています。大したものではありませんが、ダウンロード、加工、転載、オールフリーです。グーグルドライブで公開しています(こちら)ので、もしよかったら御自由にお使いください。
エクセルのフィルター機能が便利です。消去法で種を絞れます。

フサゴケはコケ雑記さんがアップしていますが、コフサゴケと見分けられる気がしません。


(マトリックスのイメージ。最新はリンク先です。)


似た種の見分け方


◆フトリュウビゴケとコフサゴケ


◆タチハイゴケとミヤマリュウビゴケ
 タチハイゴケは毛葉なしで、ミヤマリュウビゴケは毛葉あり。
 現地では、茎葉に縦皺があればミヤマリュウビゴケ、皺がなくて平坦ならタチハイゴケ。
 ミヤマリュウビはどちらかというと基物にピッタリしている感じ?




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