2019年1月2日水曜日

ギボウシゴケ科

ギボウシゴケ科(6属46種) <種一覧へ> <マトリックス>


科としてのまとまりはあると思います。
チヂレゴケ類を別科にする意見もあるそうです。


ギボウシゴケ科の特徴


・帽が鐘状。(タチヒダゴケ科に少し似ている。)
・帽に縦ひだがある。(例外も多い)
・細胞は小さめで、厚壁(センボンゴケ科に近い雰囲気)。乾燥への耐性に関係するかも?
・細胞壁が波打つ変わった細胞。
・基部葉縁部に1列の矩形細胞
・細胞にパピラがある。(例外も多い)
乾湿運動が素早い。
・比較的よく蒴を着けている。(例外も多い)
・岩などの乾いた所に生える種が多い。
・樹幹に生育する種はない??
・透明尖がある。(例外も多い)
・蘚座をよく作っている。
・直立タイプと這うタイプの両方がある。
・無性芽は着けない??


属の特徴


①ギボウシゴケ類:蒴歯披針形、蘚座を作り、乾の時棒状。
◆ギボウシゴケ属(15種):
◆シズミギボウシゴケ属(7種):蒴は沈生。
◆ツバナゴケ属(1種):蒴は沈生。

高山帯に分布するものが多いかもしれません。
身近で普通に見られるものは、ケギボウシゴケホソバギボウシゴケくらいでしょうか。
ギボウシゴケは石灰岩性蘚類です。

②スナゴケ類:蒴歯糸状、マットを作り、乾の時棒状。
◆シモフリゴケ属(14種):

乾の時、棒状になる(例外:コバノスナゴケ)。
横に這う茎を出すので、蘚座ではなく、マットを作る。
帽にひだはない。小さな帽
蒴柄あり。
透明尖あり(例外あり)。
近年はさらに研究が進んでいるようです。
エゾスナゴケコバノスナゴケチョウセンスナゴケの3種はとても身近なコケです。
シモフリゴケはかなり特殊です。すぐわかります。
マルバスナゴケとナミカワスナゴケは葉先が鈍頭でかなり変わっています。

③チヂレゴケ類:蒴歯単列で16本糸状。基本蘚座。乾の時巻縮。
◆チヂレゴケ属(7種):
◆ハクチョウゴケ属(2種):

這う茎なし。
葉の先に透明尖なし。
帽は大きくて、蒴をよく覆う。
この仲間の識別には、口環と蒴歯の観察が重要みたいです。
チヂレゴケ、ハチヂレゴケナガバチヂレゴケ、タイワンチヂレゴケの4種はとても身近なコケです。
シナチヂレゴケは石灰岩性蘚類です。


注意すべき他科


◆タチヒダゴケ科:帽が鐘状で縦ひだあり。蘚座も作る。
◆ヒナノハイゴケ科:ヒナノハイゴケの帽は鐘状で縦ひだあり。サヤゴケが岩に生えているとギボウシゴケ科にそっくり。雌苞葉を見ればわかる。
◆センボンゴケ科:チュウゴクネジクチゴケはホソバギボウシゴケにそっくり。


識別ポイント


◆パピラの有無
◆透明尖:結構微妙かも。参考程度。
基部辺縁部の矩形細胞の列があるかどうか
エゾスナゴケにはないです。
ある場合は数を数えます。
葉身細胞の形
縦長、少し縦長、方形
◆口環:チヂレゴケとタイワンチヂレゴケは口環が発達します。未発達だと、ヒダゴケやシナチヂレゴケになります。


<マトリックス>


全く未完成です。随時更新していきます。すみません。
マトリックスは、ほかの科も含めて全部エクセルで作成しています。大したものではありませんが、ダウンロード、加工、転載、オールフリーです。グーグルドライブで公開しています(こちら)ので、もしよかったら御自由にお使いください。
エクセルのフィルター機能が便利です。消去法で種を絞れます。


(イメージです。最新はリンク先です。)



似た種の見分け方


◆ホソバギボウシゴケとギボウシゴケ
蒴表面の細胞の形で見分けるそうです。

◆ナガバチヂレゴケとハチヂレゴケ



個人的な課題

◆チヂレゴケとヒダゴケ
◆タイワンチヂレゴケとシナチヂレゴケ



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