2020年1月11日土曜日

チュウゴクネジクチゴケ

チュウゴクネジクチゴケ (センボンゴケ科)③フタゴゴケなど <種一覧へ> <マトリックス> 2001東京2 平86

平凡社の図鑑(p86)には「基部の細胞は上~中部のものよりはるかに大きく、透明」と書いてありますが、検鏡したものは上~中部の細胞とほとんど同じでした。これは問題です。「細胞にパピラはないか、低い」と書いてあるところも気になります。かなり明瞭なパピラでした。「校庭のコケ」では、1~2個の大きなパピラを持つと書いてあり、こちらの記述の方が正しそうです。
コンクリート面以外ではあまり見ないような気がします。石灰岩性蘚類だそうです。
湿の時はヤノウエノアカゴケによく似ていますが、ギボウシゴケ科のコケも注意が必要です。特に、ホソバギボウシゴケはそっくりです。
身近な立ちゴケのNo.9に選びました(比較のマトリックスはこちら)。世間一般では道端御三家の一つに選ばれています(残りの2つはホソウリゴケハマキゴケ)。
別の個体の検鏡写真はこちら

 写真1:コンクリート上。乾の様子。

写真2: 湿の様子。葉は狭三角形。写真だけ見ると、ヤノウエノアカゴケととてもよく似ています。

 写真3:乾の茎。棒状。

 写真4:湿の茎。葉の長さは2mm弱。

 写真5:葉。葉縁部は外曲しています。

 写真6:長三角形というよりも、披針形です。

 写真7:葉身下部。下ぶくれ状。

 写真8:葉身下部の細胞は緑色で、少し大きいくらい。平凡社の記述と大きく異なります。

 写真9:葉身中部。下側の葉縁部は狭く反曲。

 写真10:葉身中部の細胞。円状方形。

 写真11:葉身上部。パピラが目立つ。

写真12:葉先。鋸歯はなし。


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