シノブゴケ科(15属50種) <種一覧へ>
シノブゴケ科の特徴
・這って分枝するコケ
・毛葉がある(例外は多数)
・中肋1本(例外:イセノイトツルゴケだけが2叉する)
・細胞は短い
・葉にパピラがある(例外は5種:イセノイトツルゴケ、ラセンゴケ、ミヤベゴケ、シノブスズゴケ、マルバミヤベゴケ、トガリバギボウシゴケ)
・乾き気味の環境に生える種が多い(例外多数)
・茎葉と枝葉で大きさがかなり違う(例外多数)
・樹状分枝や階段状分枝をするものがある(例外多数)
毛葉といえばシノブゴケ科、シノブゴケ科といえば毛葉。毛葉の総本山ですね。
注意すべき他科
ウスグロゴケ科:毛葉をつけるものが多い。かなり近縁。いっしょに考えた方がいい。ホソオカムラゴケとチャボスズゴケの乾はよく似ている。イワイトゴケ類はかつてウスグロゴケ科だった。アサイトゴケはノミハニワゴケなどに似ている。
コゴメゴケ科:
イワダレゴケ科:毛葉をつけるものがある。ヒナトラノオゴケがシノブヒバゴケに似ているらしい。
ヤナギゴケ科:
グループ区分
毛葉なし(例外バンダイゴケ)、パピラあり、全縁(例外多数)、蒴直立など
毛葉あり、パピラあり、鋸歯縁、蒴傾く、側枝密(例外ヒナトラノオゴケ)など
ノミハニワゴケ類(毛葉あり)、ハリゴケ類やラセンゴケ類(毛葉なし)
ちなみに毛葉のあるなしですが、詳しくは以下のとおりです。
毛葉なし・・・ない~ほとんどない
毛葉あり・・・多少ある~密生
①イワイトゴケ類(6属18種) <種一覧へ> <マトリックス>
所属する属
(毛葉なし、パピラあり)
◆イワイトゴケ属(5):帽に少数の毛がある。外蒴歯には大きな乳頭がある。中肋は普通中ほどくらいまで。
◆キヌイトゴケ属(7):帽は無毛。外蒴歯の上半は密に小さな乳頭で覆われる。中肋は普通葉先近くに達する。
(毛葉なし、パピラなし)
◆ミヤベゴケ属(3):
◆トガリギボウシゴケ属(1):オオギボウシゴケモドキに似る。亜高山帯の石灰岩。
◆イセノイトツルゴケ属(1):微小。中肋はない~短く2叉。
(毛葉多数、パピラあり)
◆バンダイゴケ属(1):小形。山地の根際。これだけ毛葉多数。
◆イワイトゴケ属(5):帽に少数の毛がある。外蒴歯には大きな乳頭がある。中肋は普通中ほどくらいまで。
◆キヌイトゴケ属(7):帽は無毛。外蒴歯の上半は密に小さな乳頭で覆われる。中肋は普通葉先近くに達する。
(毛葉なし、パピラなし)
◆ミヤベゴケ属(3):
◆トガリギボウシゴケ属(1):オオギボウシゴケモドキに似る。亜高山帯の石灰岩。
◆イセノイトツルゴケ属(1):微小。中肋はない~短く2叉。
(毛葉多数、パピラあり)
◆バンダイゴケ属(1):小形。山地の根際。これだけ毛葉多数。
葉先は円頭~鈍頭が多いです。
なお、オオギボウシゴケモドキは葉縁に鋸歯が出ることがあります。
植物体は比較的小さめです。
乾の時棒状になるものが多いです。側枝は少なめです。
岩上や樹幹など、やや乾いた環境でよく見られます。
平地から山地にかけて、なじみのあるコケが多数含まれます。
ムチエダイトゴケ、キスジキヌイトゴケ、ナガスジハリゴケ、ホソハリゴケ、トガリバギボウシゴケは石灰岩性蘚類だそうです。
オオギボウシゴケモドキは樹状分枝する独特の姿で、容易に目視判別できます。
ギボウシゴケモドキも湿の時、葉が扁平に平開する様子や、中肋が葉の中心からずれていることを確認できれば、現場で見分けられます。
神奈川と茨城では、ギボウシゴケモドキのかわりに、アオイトゴケというものが出ています。
エゾイトゴケを検鏡したら、細胞の大きさは10μmもありました(こちら)。野口図鑑の4~5μmは間違いのような気がします。識別ポイント
・葉先の折れやすさ:重要な形質だと思います。
・パピラの数や形状
・葉形:参考程度?
・葉先
・乾の時の巻縮の仕方
<マトリックス>
全く未完成です。随時更新していきます。すみません。
マトリックスは、ほかの科も含めて全部エクセルで作成しています。大したものではありませんが、ダウンロード、加工、転載、オールフリーです。グーグルドライブで公開しています(こちら)ので、もしよかったら御自由にお使いください。
エクセルのフィルター機能が便利です。消去法で種を絞れます。
似た種の見分け方
◆コバノイトゴケとイワイトゴケ
葉先の折れやすさと葉身細胞の大きさ
◆エゾイトゴケとキヌイトゴケとミヤマギボウシゴケモドキ
◆イワイトゴケとコマノキヌイトゴケ
蒴が違うらしいです。
④シノブゴケ類(6属20種) <種一覧へ> <マトリックス>
所属する属
◆シノブゴケ属(14):2回羽状。枝は2列。
◆ホンシノブゴケ属(1):2回羽状。枝は全周。
◆モミシノブゴケ属(1):大形。高山の地上や岩上。枝は2列。
◆ヌマシノブゴケ属(2):中形。茎葉基部葉縁に長いとげ。枝は2列。
◆ヒナトラノオゴケ属(1):大形。山地の湿岩。シノブヒバゴケに似る。
◆チャボスズゴケ属(1):中形。山地の樹幹。
毛葉多数で1~2回羽状複葉のものです。
トヤマシノブゴケが圧倒的に多く、コバノエゾシノブゴケとヒメシノブゴケは陰湿な谷筋などにある程度あるかもしれません。シノブゴケ属はどれもよく似ていて、屋外で見分けるのはなかなか厳しいです。ホンシノブゴケは枝が全周に着く雰囲気により、目視で区別できます。
コマノイトシノブゴケとスギバシノブゴケは石灰岩性蘚類だそうです。
識別ポイント
・茎葉の先端が毛尖か、鋭尖頭か、鋭頭か
・茎葉や枝葉の先端細胞が鋭頭か鈍頭か
・葉身細胞のパピラの数、パピラの大きさ
・毛葉の枝分かれ、細胞数、細胞の形、先端部の尖り具合など
<マトリックス>
全く未完成です。随時更新していきます。すみません。
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大きい系の見分け方
茎葉の先端が毛尖なら、あとは葉身細胞のパピラの数を確認するだけ。
パピラが複数ならトヤマシノブゴケ、1個ならヒメシノブゴケ。
茎葉の先端が毛尖でない場合、茎葉の先端細胞を確認。
鈍頭なら、リュウキュウ、アオ、オオアオのいずれか。
次に葉身細胞のパピラを確認して、1個ならリュウキュウ、複数大形ならアオ、複数小形ならオオアオ。
茎葉の先端細胞が鋭頭の場合、毛葉を確認。
毛葉が10個以上で、分枝していたら、オオ、コバノエゾ、コマノイトのいずれか。
枝葉の先端を確認し、鋭頭ならオオ、鈍頭ならコバノエゾかコマノイト。
コバノエゾとコマノイトは毛葉細胞の形と先端の尖り具合で区別します。
小さい系の見分け方
毛葉が10個以下で分枝しない5種の識別には蒴が必要かも??
似た種の見分け方
◆ヒナトラノオゴケ(シノブゴケ科)とシノブヒバゴケ(イワダレゴケ科)
ヒナトラノオゴケは、細胞は楕円形で上端にパピラ。葉の先端付近に微歯あり。
シノブヒバゴケは、細胞は線形で平滑。葉のほぼ全周に鋭鋸歯あり。
③ノミハニワゴケなど(3属11種) <種一覧へ>
ラセンゴケがやや普通に見られます。
低地~山地で見られるコメバキヌゴケとノミハニワゴケも普通種です。
ノミハニワゴケなどはウスグロゴケ科のアサイトゴケに似ています。
<マトリックス>
ウスグロゴケ科などといっしょに整理しました。
全く未完成です。随時更新していきます。すみません。
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