2020年11月28日土曜日

ナスシッポゴケ

ナスシッポゴケ Dicranum leiodontum (シッポゴケ科) シッポゴケなど <種一覧へ> <マトリックス> 2004埼玉308

武甲山に登る登山道沿いのスギの樹幹に生えていました。
樹幹に生えて、巻縮するものとしては、ヒメカモジゴケ、コカモジゴケ、カギカモジゴケ、ナスシッポゴケの4種が考えられます。なお、カタシロゴケ科のカタシロゴケも、よくスギの樹幹(おもに根際)に生えて巻縮していますが、葉身細胞の様子がかなり違います。
カギカモジゴケは中~上部の葉縁が多細胞になり、鋸歯が双生しますが、これは1層のように見えました。
ヒメカモジゴケとコカモジゴケは狭披針形で、葉身上部はもう少し幅広いと思います。この個体の葉は線状披針形でした。無性芽は全く見当たりませんでした。
ということで、ナスシッポゴケになりました。
なお、アオシッポゴケも多少巻縮しますが、もっと大形で、土上や岩上にはえるらしいので、違います。なによりも葉縁部が全く違います。

写真1:スギの樹幹に生えていました。

写真2:ホソバオキナゴケと混生していました。

写真3:よく巻縮しています。

写真4:茎は6~7mmほどでした。

写真5:葉上部の断面。葉縁部は1層のようです。

写真6:翼部は1層のようです。

写真7:葉は3.5mmほどでした。

写真8:葉

写真9:葉

写真10:葉身下部

写真11:葉身下部。中肋は4分の1ほど。

写真12:翼部

写真13:翼部の直上の細胞

写真14:葉身中部

写真15:葉身中部の細胞

写真16:葉身中部の細胞

写真17:葉身中部の葉縁部。全体的に微歯(不明瞭な歯)があります。

写真18:葉身上部。5分の4くらいまで、葉身があります。

写真19:葉身上部の細胞

写真20:葉先

写真21:背面の中肋や葉身上部にはパピラやとげがあります。

写真22:大きなパピラのほかに、小さなパピラがありました。


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