武甲山に登る登山道沿いのスギの樹幹に生えていました。
樹幹に生えて、巻縮するものとしては、ヒメカモジゴケ、コカモジゴケ、カギカモジゴケ、ナスシッポゴケの4種が考えられます。なお、カタシロゴケ科のカタシロゴケも、よくスギの樹幹(おもに根際)に生えて巻縮していますが、葉身細胞の様子がかなり違います。
カギカモジゴケは中~上部の葉縁が多細胞になり、鋸歯が双生しますが、これは1層のように見えました。
ヒメカモジゴケとコカモジゴケは狭披針形で、葉身上部はもう少し幅広いと思います。この個体の葉は線状披針形でした。無性芽は全く見当たりませんでした。
ということで、ナスシッポゴケになりました。
なお、アオシッポゴケも多少巻縮しますが、もっと大形で、土上や岩上にはえるらしいので、違います。なによりも葉縁部が全く違います。
写真1:スギの樹幹に生えていました。
写真2:ホソバオキナゴケと混生していました。
写真3:よく巻縮しています。
写真4:茎は6~7mmほどでした。
写真5:葉上部の断面。葉縁部は1層のようです。
写真6:翼部は1層のようです。
写真7:葉は3.5mmほどでした。
写真8:葉
写真9:葉
写真10:葉身下部
写真11:葉身下部。中肋は4分の1ほど。
写真12:翼部
写真13:翼部の直上の細胞
写真14:葉身中部
写真15:葉身中部の細胞
写真16:葉身中部の細胞
写真17:葉身中部の葉縁部。全体的に微歯(不明瞭な歯)があります。
写真18:葉身上部。5分の4くらいまで、葉身があります。
写真19:葉身上部の細胞
写真20:葉先
写真21:背面の中肋や葉身上部にはパピラやとげがあります。
写真22:大きなパピラのほかに、小さなパピラがありました。
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